マルチングは、植物の周りの土を覆うことを指し、マルチとも称されます。
家庭の庭や花壇での利用が推奨されるほど、多くのメリットがある技法です。
ここでは、マルチングの効果とその種類、刈り取った雑草を再利用する方法(草マルチ)について解説します。
マルチングの利点
以下のような利点が見込まれます。
・雑草の成長抑制
・土壌温度の管理
・土の保湿
・泥はねからの病気予防
雑草の成長抑制
雑草の種は光が当たると発芽する性質があります。
日光を遮ることで雑草の成長を防ぎます。
土壌温度の管理
春の冷え込みに対して土壌を温めたり、夏の過剰な暑さを和らげることができます。
土の保湿
直射日光を遮ることで、水分の蒸発を抑え、植物の周囲の湿度を保ちます。
これにより水やりの頻度を減らすことができます。
泥はねによる病気の予防
水やりや雨で泥が植物の葉に飛び散ると、土中の病原菌が付着し病気の原因となることがあります。
マルチングによる泥はねの防止は、病気のリスクを減らす助けとなります。
マルチング素材の選び方
マルチングに利用する素材は、多様な種類が存在します。
・プラスチックシート
・稲藁
・堆肥
・木製チップ、樹皮チップ
など
プラスチックシート
プラスチック製のシートは、色によって異なる効果があります。
黒色シート:日光を遮り、土温を高め、雑草の成長を抑制します。
透明シート:光を透過させ、土温を高めます。
銀色シート:光を反射し、害虫を避け、土温の上昇を抑制します。
一部のシートは、表が白、裏が黒というデザインもあります。
稲藁
稲刈り後に残る稲藁は、自然由来のマルチング素材として用いられます。
使用後は土に混ざり、微生物の働きで分解されて土壌を豊かにします。
環境に優しく、廃棄物とならない点が利点ですが、風で飛ばされやすい点が欠点です。
雑草の生育を阻止するためには、光が土表面に届かないように厚く敷く必要があります。
堆肥
通常は赤玉土と混合して使用されることが多いですが、マルチング素材としても活用できます。
マルチとして使用する際は、土の表面に3~5cm程度の厚さで敷き詰めると良いでしょう。
保水性、通気性、保肥性を向上させる効果がありますが、風で飛びやすい点がデメリットです。
木製チップ、樹皮チップ
木製チップ:スギやヒノキなどの木を細かく砕いたもの。
樹皮チップ:アカマツやクロマツの樹皮を砕いたもの。
木製チップは比較的安価で入手しやすい一方、樹皮チップは高品質で見た目が優れています。
【デメリット】
湿気を吸いやすく、カビの発生や虫が集まることがあります。また、時間とともに劣化するため、定期的な補充が必要です。
鉢植えには樹皮チップ、家庭菜園には黒いビニールシートを使うなど、用途に応じて適切な素材を選びましょう。
雑草を活用したマルチング方法
雑草をマルチング素材として再利用する手法は、草マルチとして知られています。
【メリット】
・コストがかからず手軽に入手可能
・プラスチックシートの設置より手間が少ない
・堆肥化して土壌改善に寄与する
【デメリット】
・収集に時間が必要
・風による散乱のリスク
・定期的な追加が必要
雑草の刈り方について
雑草は根を残して地上部のみを刈取る方法が推奨されます。
根を残すことで、土が硬化し、さらなる雑草の繁殖が防げます。
刈り取る際は、成長点以下をカットすることがポイントです。
植物が伸びる点を切除することにより、雑草の再生速度を遅らせることができます。
※枯れた根は土壌の栄養となり、土質改善に寄与します。
ただし、ヨモギやドクダミのような地下茎で増殖する雑草は引き抜きが必要です。
雑草の活用方法
・刈り取った雑草は畑の通路に仮置き
・野菜の根元には枯れた状態で利用
刈りたての雑草はすぐにマルチとして使用しないことが推奨されています。
これは、植物の成長を妨げる物質や、分解過程で発生する有害ガス、発酵熱が原因です。
【窒素飢餓について】
新鮮な草を大量に使用すると、土中の微生物が増加し、野菜との間で窒素が競合し、窒素不足が生じる場合があります。
まとめ
自宅の庭や花壇でのマルチング導入を考えている方に向けて、雑草マルチの利用法を調査しました。
特に、経済的で取り入れやすい点が魅力的です。
刈り取った雑草は畑の通路に置き、枯れたものを根元に敷く方法を実践しています。
一度は完全に除去したドクダミが再発しましたが、計画的に残しておくことで管理しています。